賞与(ボーナス)の手取りはいくらか(2026年版)
賞与の明細から引かれるのは、社会保険料と所得税の2つです。 このうち社会保険料は支給額から一意に決まり、 所得税は概算で引かれて年末調整で精算されます。 性質が違うので、この記事では分けて計算します。
賞与から引かれるものは2種類
月々の給与と同じく、賞与からも社会保険料と所得税が引かれます(住民税は賞与から引かれません)。 ただし2つは決まり方がまったく違います。
| 引かれるもの | 決まり方 | あとで変わるか |
|---|---|---|
| 社会保険料 | 賞与の支給額(標準賞与額)に料率を掛ける | 変わらない(精算はない) |
| 所得税(源泉徴収) | 前月の給与と扶養親族の数から決まる率を掛ける | 年末調整で精算される |
| 住民税 | 賞与からは引かれない(前年の所得に対して月々の給与から引かれる) | — |
つまり明細の「差引支給額」はその時点の暫定値です。 賞与の所得税は前月の給与を基準にした概算で引かれているだけなので、 12月の年末調整で1年分をまとめて計算し直し、 多く引かれていれば戻り、足りなければ追加で徴収されます。
賞与の社会保険料は計算できる
賞与にかかる社会保険料は、支給額の1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に、 月々の給与と同じ料率を掛けて求めます。等級表への当てはめはなく、支給額がそのまま基礎になります。 雇用保険だけは標準賞与額ではなく支給額そのものに5/1000を掛けます。
| 賞与(額面) | 健康保険 | 子ども・子育て支援金 | 厚生年金 | 雇用保険 | 合計 | 差引(所得税を引く前) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 200,000円 | 9,850円 | 230円 | 18,300円 | 1,000円 | 29,380円 | 170,620円 |
| 300,000円 | 14,775円 | 345円 | 27,450円 | 1,500円 | 44,070円 | 255,930円 |
| 500,000円 | 24,625円 | 575円 | 45,750円 | 2,500円 | 73,450円 | 426,550円 |
| 800,000円 | 39,400円 | 920円 | 73,200円 | 4,000円 | 117,520円 | 682,480円 |
| 1,000,000円 | 49,250円 | 1,150円 | 91,500円 | 5,000円 | 146,900円 | 853,100円 |
| 2,000,000円 | 98,500円 | 2,300円 | 137,250円 | 10,000円 | 248,050円 | 1,751,950円 |
上限に当たるまでは、賞与額に対する社会保険料の割合はおおむね一定で、 上の表の範囲では14.7%です。等級による丸めがないぶん、 月々の給与よりも素直に比例します(標準賞与額の1,000円未満切捨と折半額の端数処理があるため、 賞与額によっては小数点以下でわずかに前後します)。 40歳以上65歳未満なら、ここに介護保険料が加わります。
高額の賞与には上限がある
標準賞与額には上限があり、厚生年金は1回あたり1,500,000円、 健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金は年間累計5,730,000円で頭打ちになります。 表の2,000,000円の行だけ割合が 12.4%に下がっているのは、 厚生年金の算定基礎が1,500,000円で止まっているためです。
健康保険側の上限は年度(4月〜翌年3月)を通じた累計で判定されるため、 同じ年に賞与を何回受け取ったかで到達時期が変わります。 このサイトのシミュレーターは、年収と賞与月数から賞与を年2回に等分して支払われるものとして計算しています。
「賞与の手取り」を年単位で見る
賞与の所得税は概算なので、賞与1回だけを取り出して手取りを確定させることはできません。 確定するのは年単位です。そこで月給を変えずに賞与を受け取ると、 年間の手取りがいくら増えるかを計算しました。これが後から動かない意味での「賞与の手取り」です。
| 月給(額面) | 賞与なしの年収 | 賞与の合計 | 年間手取りの増加 | 賞与額に対する割合 |
|---|---|---|---|---|
| 200,000円 | 2,400,000円 | 400,000円 | 307,840円 | 77.0% |
| 250,000円 | 3,000,000円 | 500,000円 | 384,852円 | 77.0% |
| 300,000円 | 3,600,000円 | 600,000円 | 452,660円 | 75.4% |
| 400,000円 | 4,800,000円 | 800,000円 | 592,780円 | 74.1% |
| 500,000円 | 6,000,000円 | 1,000,000円 | 654,700円 | 65.5% |
| 700,000円 | 8,400,000円 | 1,400,000円 | 823,640円 | 58.8% |
月給250,000円なら賞与の77.0%が手取りとして残り、 月給700,000円では58.8%まで下がります。 社会保険料の割合は同じなのに差がつくのは、賞与が年収に上乗せされることで 所得税の税率区分が上がり、同時に給与所得控除の増え方が鈍るためです。 給与所得控除は年収が上がるほど加算率が下がり(年収850万円超は定額)、 上乗せぶんがほぼそのまま課税所得になっていきます。 手取りに残る割合は、賞与の額ではなくその人の年収がどの位置にいるかで決まります。
この表は月給を固定したまま賞与だけを増やした比較です。 賞与が支給された月の明細で引かれる額とは一致しません(明細のほうは概算の源泉所得税を含み、 住民税を含まないため)。手元に残る額として確定するのは、年末調整または確定申告のあとです。
同じ年収でも、賞与の割合で保険料が変わる
年収が同じでも、それを月給で受け取るか賞与で受け取るかによって社会保険料は変わります。 月々の健康保険・厚生年金は標準報酬月額という等級に丸めた金額に課されるため、 賞与の割合が高いほど月額の等級は下がって月々の保険料は軽くなり、 そのかわり賞与側の保険料が増えます。この2つの綱引きで決まります。
| 賞与 | 標準報酬月額 | 社会保険料(年) | 手取り(年) |
|---|---|---|---|
| なし | 410,000円 | 723,136円 | 3,942,164円 |
| 2か月分 | 360,000円 | 739,324円 | 3,928,376円 |
| 4か月分 | 320,000円 | 747,270円 | 3,921,630円 |
| 6か月分 | 280,000円 | 738,188円 | 3,929,312円 |
同じ年収5,000,000円でも、社会保険料が最も軽いのは 賞与なしの723,136円、 最も重いのは賞与4か月分の747,270円で、 差は24,134円です。 賞与の割合が高いほど重くなる一方向の関係ではなく、 等級の丸めが効く位置によって増えたり減ったりします。
標準報酬月額は本来4〜6月の報酬で決まり(定時決定)、賞与の有無で自動的に決まり直すわけではありません。 この比較は、年収を「12か月+賞与月数」で均したこのツールの前提での結果です。 前提の詳細は計算方法と出典に記載しています。
賞与の所得税が「概算」である理由
賞与の源泉徴収税額は、前月の給与から社会保険料を引いた金額と扶養親族等の数を 「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめ、出てきた率を賞与額に掛けて求めます(国税庁 No.2523)。 基準になるのが前月の給与という1点だけなので、次のようなときに実際の年税額とずれます。
- 前月に残業が多く、給与がふだんより高かった(率が上がり、引かれすぎる)
- 年の途中で転職・休職した(1年分の収入が想定と違う)
- 生命保険料控除・iDeCoなど、年末にまとめて申告する控除がある(率に反映されていない)
このずれを1年分まとめて直すのが年末調整です。 何が精算され、控除を申告すると税額がいくら下がるのかは 年末調整で手取りはどう変わるかで計算しています。
表示している金額は概算であり、実際の税額・保険料額を保証するものではありません。 税務・社会保険に関する助言でもありません。組合健保・共済組合にお勤めの方、65歳以上の方、 前月給与の10倍を超える賞与を受け取る方は計算方法が変わります。 個別の判断は所轄の税務署・税理士・年金事務所へご確認ください。 入力した金額はブラウザの外へ送信されず、保存もされません。
関連する解説
- 年末調整で手取りはどう変わるか
- 年収から手取りを計算する方法
- 社会保険料の決まり方(標準報酬月額と5つの保険料)
- 2026年(令和8年)の税制改正で手取りはどう変わったか
- 副業の税金と20万円ルール
- 計算方法と出典(全表と一次出典)
出典
- No.2523 賞与に対する源泉徴収(国税庁)
- 令和8年度の協会けんぽの保険料率(全国健康保険協会)
- 令和8年度保険料額表(東京支部)(全国健康保険協会)— 標準賞与額の上限を含む
- 令和8年度 雇用保険料率のご案内(厚生労働省)